今年度の主要競技も残り少なく、そろそろ肌寒くなってまいりました。
先月ですが、第6回モダートSDウェッジフィッティング会が開催されました。 ご来場いただきました皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。
何だかんだで6回目になりまして、月日が経つのは速いものだと改めて実感しております。 今回もリピーター含め、沢山の方々にご来場いただきました。
今回から導入された新兵器です。
バンカーマット?ですね。
このマット、中々の優れものでしてマット自体に跡が残る為にショットの際のソールの当たり方と抜け方が一目瞭然です。
ご自身のイメージと実際の軌道のずれなども良く分かり、練習器具としても良く出来ていると思います。
早速、このマットを使用してのレクチャー等も始まったりと今回も充実の内容で無事に終える事が出来ました。
こちらの方は今回のレクチャーで何かを発見されたようですね。
非常に熱心に須田氏のお話に耳を傾けられ、たっぷり1時間半ほどフィッティングを行っていただきました。
来シーズンにはきっと素晴らしい花が咲くことでしょう。
勿論、栃木産のT168ウェッジも試打していただき、フィッティングの結果により姫路産と栃木産のどちらがその方に適しているかなどのお話も興味深いものでした。
このイベントの度に新しい発見が多々あり、勉強になることが非常に多いです。 道具も含めてショートゲームの奥深さを改めて感じる事ができる素敵な1日でした。 そう言えば、葭葉ルミプロもついにSDウェッジをバッグに・・ 目が離せませんね! そしてこの日は先日の第8回中部ミッドアマチュアゴルフ選手権を見事制しました、見崎和也氏が嬉しいご報告を兼ねてご来場くださいました。
見崎氏はモダートのクラブを使用しておられることから須田氏とは親交があり、須田氏が愛知に来られたタイミングでのご来場です。 丁度執筆中の今日から始まった日本ミッドアマ、是非とも頑張っていただきたくご健闘をお祈りしております。 日本ミッドアマもSDウェッジ使用選手が多々目立ちますね。
ちゃんと仕事してるの? との声も聞こえてきそうですからたまには作業風景などを。 問い合わせも多いこの類の作業になります。
こちらの格好いいアイアン、買ったはいいがどうにも上手く打てない・・とのご相談です。
素材的に調整代があまり多く無く、形状も独特ですから買い替えも頭を過られたと思いますが買ったばかりだし手を加えてもう少し愛してあげよう!という事になりました。
ロフトの立ったモデルですから5番はご隠居いただいて6番からの作業となります。
なんだか寂しそうな5番アイアンです・・
しかしながら意外にも初めてさわるヘッドですから楽しみですね
メーカー純正品でN.S.PRO 950GH R シャフトが装着されています。 どうもシャフトがしっくりこないような、そして私見ではシャフト硬度に対してバランスが大き過ぎる、(レングスが長すぎる、もしくはネック内での加重過多)、ライ角が著しくアップライトである、グリップが使用者の手のサイズからすると太い、などこれらを総じて手直ししていくことになりました。
まずは何はともあれシャフトですから、試打を重ねていただいた結果TRUETEMPER XP95 Rシャフトを1番手軟らかくずらして装着することに。 N.S 950もXPも少しバットの太さが目立ちますから、少し細身のグリップをチョイスしていただき、番手ずらしの影響でカット量にも依りますが右手部分が少し細くなることを期待しつつ、下巻きテープも最薄で。
ロフトは標準値に、ライ角はシャフトの再装着後の結果とバラつき如何ですが、現状では1度~1.5度ほどフラットに調整する予定です
長さはご自身の体型を鑑みて現状からは少し短く、バランスはこのシャフトがストレスなく動く必要最小限からスタートしたいと思います。 その辺りは納品後の結果によって調整していただくのが当店流です。 XPというシャフトの特性(バランスポイントが比較的チップ寄り)と若干軽めのグリップ・下巻きテープの重量などから最小限の鉛テープでの調整でいけると期待します
さて、諸々の細かい作業内容は割愛させていただきますが、この類のヘッドへの作業を進める中でまずは最初の大事なポイントに遭遇します。 シャフトを真っ直ぐに入れる、と言うことなのですが「何を今更・・」と聞こえてきそうですね。 ホーゼル内径がパラレル・カーボン何でも来いと言わんばかりにドーンと大きく、これを抜けないようにしっかりと接着しつつセンターもきちんと出して装着しないといけません。 工房を営んでおられる方々にとっては特段イレギュラーな作業ではないのですが、それでもやはりその後の作業への影響も考慮してここは気を遣うべきポイントとなります。
メーカー装着時は画像の通り、ガイドの役割を果たす段付きソケットとシャフト先端へのバランサーによって天地でのガイドが出来、比較的容易にセンターが出しやすい仕組みになっています。 空いた隙間はガラス粉を相性の良いアクリル系ボンドで固めて出来上がりです。 良く出来ていますが、ここはやはり工房ですから過剰なまでに長期間の使用に耐え得るしっかりとした装着を施したいですね。
シャフト装着後、ソケットを整えて後に各所アングルを計測します。 同時に仕上がり予定クラブ長をこの時点で決定してから、ライ角も決めてしまいます。 リシャフト前と大きく違わないもののやはりライ角は1度~1.5度程度の調整が必要でした。 ロフトも最大で1度程度の調整が必要と言う結果に。 曲げていきます。
ホーゼルの長さや素材等によってベンディングバーを使い分けます。 今回の内容にこちらのクラブを選んだのは「ステンレスヘッドですが調整出来ますか??」との問い合わせが割と多いからです。 硬いと言われているこのヘッド素材であるSUS630、比較的たやすく曲がるものもあれば腰を痛めるほど頑張ってもあまり曲がらないものもあります。 ただしこの手の素材で簡単に曲がってしまうのは肉厚の薄さも考えられますので、少し怖い部分ですね。 やってみないと分からない所が正直ありますので、その旨お伝えして、破損は免責で狙った角度までの調整も不可である可能性もお伝えして後の作業になります。
結果としては無事に最大1.5度までの調整を終え、狙ったアングルで綺麗に整えることが出来ました。 感覚的にはもう少し行けそうな感じです。 ただ、番手によっては少し危険な感触もありましたからやはりこの類のヘッドは1度までの調整とされた方が無難だと思います。 調整は出来ましたがやはり硬いので、例えば軟鉄のような感覚では曲げれません、と言いますかジワジワ曲げて行くとイヤイヤをするので狙った角度まで一気に負荷をかける感じでしょうか。 例えば身構えさせることなく不意を突くような、例えが分かりにくくて恐縮ですがそんな感じです。 その分、微調整は難しいのですがこれは経験値ですね。
バットのトリミング、グリップ装着、ヘッド重量調整を経て最後の各所測定が終われば完成です。 勿論、クリーニングも忘れてはいけません。
いかがでしょうか? 道具はある意味、愛情と愛着を持って接してあげる事が大事だと考えます。 その方法は様々ですが、より愛情を深めるための手直しは有効な手段ではないでしょうか。 生まれ変わった相棒との益々の御活躍を願っております。
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