前回の作業工程のなかで一つ掲載漏れがありました。
ホーゼル内径を整えるにあたって同時にシャフト先端のサンディングを行います。
鍍金を剥離して接着強度を確保するための必須作業です。
鍍金剥離後のチップ外径に応じてホーゼル内径を整える、といった手順になります。
大変失礼しました。
ホーゼル内径に最初から余裕がある場合はこの工程はシャフト先端に付着したホーゼル内の錆を落とす手間を考えると後回しが良いでしょう。
シャフトがシルバーのサテン仕上げですので分かりにくいのですがこのような仕上がりです。
当店では作業時間の短縮と滑らかな円弧を保つ為に砥石を利用しますが、折れの原因となる削り過ぎには注意が必要です。
サンドペーパーを使用しての作業の場合は余程削り過ぎることはないものの、時間を要するのと円弧を保ってのサンディングは意外と難しいものです。
この作業を施しているとチップ外径にも公差があるのがよくわかりますし、手に伝わってくる振動や音から使われている素材やメッキの厚みなどの違いも色々なのだと想像できます。
また、チップ側に曲がりや反りがある場合にはサンディング中に均等に剥離ができませんからすぐにわかります。
その場合、必要以上にホーゼル内径を拡げる必要がありますし、そもそも真っすぐ入りませんから使用不可となります。
少し分かりにくいですがこの程度の余裕を目安に仕上げていきます。
後の工程でチップのトリミングを行ったっ場合は必要に応じて都度、サンディングを施します。
今回使用するシャフトは一般的なスティールシャフトとは違い、ステップがありません。
通常はこのステップを確認しながら各番手の硬さを揃えていくのですが、目安がありませんので仮組み状態で振動数を計測していきます。
仮にステップがあったとしても全ての番手に均等・均一に配置されていませんので(メーカーにより幅はあります)割と神経を使うところです。
シャフトの硬さを考えるとき、様々な確認方法があるなかで振動数は既定の個所での数値に過ぎませんが、昨今のアイアンシャフトの殆どが番手別設計(コンスタントウェイト)であることと、同じ特性・調子の個体の集まりですから、やはり有効な手段だと考えます。
各番手のシャフトを予め計測により決定したポジションで仮組み後に計測用のダミーグリップを使用して予定の長さで振動数を測っていきます。
前段でヘッド重量を測り記録していますが、この作業に於いて大事なポイントになります。
ある程度の誤差範囲内でのフローであれば特段、気に留めなくても大丈夫ですが大きくずれている場合はこちらの作業は無意味なものになってしまいますので、前もってヘッド重量の調整もしくは仮調整が必要となります。
さて、結果は以下の通り
何ということでしょう、悪くないじゃないですか・・
敢えて手間の掛かる予定のシャフトをクローズアップしたのですが、良い意味で残念な結果に。
とは言え、喜ばしいことには間違いありませんので気を取り直して作業を進めます。
測定結果をもとにチップのトリミング→再度測定、この作業を繰り返しながら調整を行っていくのですが今回は印の番手の差し込み寸の調整とその上の番手の微調整で事足りるようです。
因みに下2つ(PW-GW)について、今回はほぼ同じ重量でのセッティングになりますので、同じ番手のシャフト(#9)の硬度を測って硬い方をGWに使用していますから画像の結果でOKとします。
※後出しですが今回のセッティングです
C-TAPERの番手を一つ軟らかい方へずらして装着します
時系列に乱れが生じており見苦しい個所が多々ありますが、もう少しお付き合い下さい。
この形の投稿にもやっと慣れてきましたので・・
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