2022年も残りわずか、仕事を納められた方々はお疲れさまでした。
たまには夜のお供に読みものでもいかがでしょうか。
ゴルフを愛する方々は総じて道具も愛でておられるのだと思います。
ラウンド前後の点検・清掃、はたまたリシャフトや新しいヘッドの物色などそれらもまたゴルフの楽しみ方の一つですね。
ですが、ちょっと待ってください!そのグリップ大丈夫ですか??
というお話が今回のお題目になります。
グリップする、意味合いとしては「捉える」「掴む」といった認識でしょうか。
様々なスポーツシーンに於いて非常に良く使われる言葉であり、多数の方がまずはモータースポーツを連想されるのだと思います。
純粋に速さのみを競うこのシビアなスポーツでのタイヤのグリップ性能とマッチングの影響は非常に大きく、優れたボディ・ドライバー・ハイパワーエンジンを効率よくタイムとして結果に表す為の重要な媒体です。
路面の状態との相性を見極めることが必要なのですね。
ゴルフクラブに於いても重要な役割を担っていますが、割と軽視されがちなのも事実ではあります。
持ち込まれたクラブを拝見するとツルツルテカテカなグリップが多々見受けられます。
断言しますが、そのグリップでは飛距離・方向性・再現性をかなり損なっており、要は効率よくエネルギーを伝えられていない状態なのですね。
スイングに悩む前にまずは効率よく正しくボールをヒット出来る準備をしていただければと願います。
当工房での作業に於いて指先で掴んで回すといった作業が非常に多く、グリップの下巻テープ施工やシャフトカット等がそうですが、指先やパーツに油分や汚れなどが付着しているとこれはもう大変で通常の倍近くまで作業効率が落ちてしまいます。
また店主はバイクも嗜みますが、スロットル側のグリップを新しくするだけで非常に良いレスポンスを体感できますし、新しいタイヤに交換もしくは良いタイヤに巡り合えた時には「あれ?もしかして俺って上手いかも・・」と思う程度には違いを体感できます。
良いスイングも良い道具もそのグリップが全て台無しにしていると言っても過言ではありません。
大袈裟な物言いですが、グリップを見直す・交換するもしくはメンテをする行為が実は最もお手軽に大きな効果を期待できるチューンアップだと言うことをまずはご理解いただきたくアナウンスさせていただきます。
昨今はグリップも多種多様でして、「グリップの重要性は分かったけど、じゃあ何が自分に合っているのだろう・・」とお悩みの方も多いのではないかと思います。
注視すべきは主に2点、材質と形状です。
以下、あくまで店主の見解となります。
<材質>
グリップの材質としてはゴムと樹脂系に大別されます。
皆様にはラバーとエラストマーの呼称が一般的なのだと思います。
ゴムグリップは熱などの外的要因による変性が早く、ツルツルテカテカはこの特性によるものです。
最近は天然ゴムを謳っている種類も見受けられますが、100%天然ではおそらく無いでしょうから合成ゴムとのブレンドや化学合成物質の割合などで質感や特性を演出されています。
以前に100%天然ゴムのグリップを握らせて貰いましたが、モチモチとした面白い触感だったと記憶しています。
コストや原材料の安定供給の点から頓挫されたようですが・・
対して樹脂系グリップはこの外的要因による変性に疎く、1年以上放置していても左程質感やグリップ力が変わらないものも多いですね。
なので「お客さん、シャフトが見えちゃってますよ!」と思わず突っ込んでしまうほど削れてしまっていても使い込んでおられる方もチラホラ。
その他ゴムグリップはある程度水分を吸収(浸透)させるのに対し、樹脂系は水分をほぼ吸収(浸透)させません。
雨中での使用や手のひらが常に汗ばんでおられるような方には明らかにゴムグリップに軍配が上がります。
材質を検討する場合、残念ながら汗っかきの方はゴムグリップ一択で良いと思います。
そうでもない方や乾燥肌の方はまずは質感でどちらでも、手入れが苦手・年間ラウンド数の少ない方であれば樹脂系が良いのではないでしょうか。
とは言え、樹脂系でもその辺りを考慮している物も存在します。
エリートグリップやその他メーカーでもゴムグリップには敵いませんが比較的水分に左右されにくい工夫が施されているタイプもありますので、汗っかきだけど樹脂系を希望される方は試されると良いかと思います。
<形状>
主に注目すべき点はグリップエンド下の「くびれ」とテーパーの度合いです。
手の大きさや特徴は様々で、特に左手小指の長さを気にしてみてください。
グリップメーカーにはそれぞれ種類にも拠りますがこのくびれに特徴・違いがあります。
・割としっかりとくびれがあり、左手小指に当たる個所が細身
→ゴルフプライド、イオミック(2.6は除く)、エリートグリップ(CX系)など
・くびれはあるがテーパーが緩い(寸胴もしくが右手の握り部分が太め)
→ゴルフプライド MCC STD or +4、エリートグリップ(CX系)など
・くびれもテーパーもしっかりと感じられる
→ゴルフプライド(STD系)、イオミック(2.6は除く)など
・くびれがあまりなく、左手小指に当たる個所が普通~太く感じる且つテーパーあり
→パーフェクトプロ、パルマックス、エリートグリップ(Y360系)、STMなど
例えば手は小さくないものの指が短い方などは、くびれしっかりタイプでテーパー緩めは割とフィットする方が多かったりと現状のグリップでしっくりこない方、もしくはご自身にフィットするグリップを探してみたい方は是非とも色々と模索してみてください。
あくまで店主の感覚であり、感じ方はそれぞれです。
宜しければ参考になさってください。
明日に続く・・
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