今年の競技日程も終了し、いよいよ冬本番となりました。
来シーズンに向けて1年を振り返ってみての課題の克服やクラブのセッティング等、ゴルファーにはまたこのオフシーズンにも楽しみが沢山あるのではないのでしょうか。
この時期に多い作業はグリップ交換、そして「調整」です。
とりわけアングル調整の依頼は多く、少し触れてみたいと思います。
同時期に持ち込まれた3セット(一つは単品)は偶然にも全てスリクソンです。
人気があるのですねー、松山プロ効果でしょうか?
思い返せば確かに同メーカーへの作業依頼は多いような気がします。
まずは一つ目、
最新機種ですかね?
ソフトな打感と仕上げの良さ、工夫された独自のソールなどが人気の理由なのでしょうか。
こちらのお客様は数年来のお付き合いですが、機種が変わるたびに当店へアングル調整を依頼をしていただいています。
少し遠方にお住まいですので、郵送で「いつも通りで!」といった感じです。
当店では作業データを必ず保存していますのでこのような依頼も多く、例えばクラブ長が変わったり現状からもう少し☆▽※~などの依頼にも比較的対応しやすいのかと思っています。
※当ページに記載された全ての数値はあくまで当店の機器を使用した独自の基準によるものですので、
各メーカーとは使用されている機器や測定方法・基準が異なっている可能性があることをご理解いただければ幸いです。
作業にあたり、まずは現状の把握からスタートします。
測ります。
現状(作業前)の数値です
いつも通りに(ご依頼通りに)曲げていきます
作業終了です
次に2つ目へ
同じくスリクソンです。
横から見るとソールの接地面積を小さくしたい意図がくみ取れます。
こちらの依頼はご自身のティーチングプロからの助言で、フラット方向への調整となります。
このようなアドバイスは測定器による数値管理では見えてこない部分となりますので、まずはやって見ることが上達への大事な部分だと考えます。
一部によく見られるスライスするからアップライトに、では駄目ですが。
以下、現状と調整後の数値です。
最後、3つ目です
ラスボスです。
素材はSUS431、オーダーは 24.5 / 61.5 。
勿論曲げます(曲げてみます)
硬さレベルを3段階で表すと真ん中くらいのイメージでしょうか。
こちらは数件問い合わせたもののお断りされた後に当店へ辿り着かれたようです。
起こり得るリスクをしっかりとご理解いただければ、お断りする作業ではありません。
ステンレスボディに限らず、持ち込みによるアングル調整には以下の免責事項が発生しますのでご理解のほど宜しくお願いいたします。
破損、調整痕、作業が困難な場合の中断、となります。
勿論、細心の注意は払いますし、作業中にこれ以上は・・と嫌な感触が生じた場合は作業は中止とさせていただきます。
稀にカップフェースでトップブレードに継ぎ目があるか薄いモデルなどは容易に、調整器できつく挟むだけで簡単に割れてしまうものもあったりします。
レポートは以上となります。
そもそもシャフトやヘッドが適正なのか?など様々な要因が影響を与えるのも事実ですが、グリップ交換、アングル調整はしっかりと練習に励みたい方には必要最低限の準備だと思います。
ライ角は出球の方向性の管理だけではなく、ヘッドの美味しい個所に打点を持ってくる結果にもつながります。
じゃあロフトは?となりますが、練習場で良い球が打てるレベルですと多少の誤差は感じ取れません。
でもゴルフ自体がコースで行う競技である以上、何故各番手で規則性のあるピッチになっているのかを理解せずにはいられません。
更には設計と製法が粗悪でない以上、ロフトが整っていないと刃の出方(フェースプログレッション)とバウンスも揃いませんのでこちらの準備も是非お勧めさせていただきます。
当店では加えて組み直し作業も多いのですが、より万全の準備をとお考えであればご検討・ご相談などご用命いただければと思います。
番外編になりますが、面白いクラブの作業が入りましたのでご紹介を。
何とも懐かしい、数世代前の高級クラブですね。
最近にはない自己主張の塊とも言えるクラブではないでしょうか?
グリップを取るとこちらにも自己主張が・・
こちらはセットのSWですが、何と言いますか全てを受け入れてくれそうな寛容さがあります。
良いものを拝見させていただき、有難うございました。
これにて終了です。
寒冷のみぎり、皆様どうぞご自愛くださいませ。
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